ブルームバーグの記事によると、中国の海航集団(HNA Group)がVirgin Australia Holdings Ltd.の13%の株を1.59億オーストラリアドルで購入することを決定。さらに今後、その出資比率を20%まで引き上げる方針。
ブリスベンが本拠地のVirgin Australiaは既にAir New Zealand Ltd., Singapore Airlines Ltd. and Etihad Airways PJSCが大株主として存在しており、そこに更に海南エアラインも加わる形になる(Bloomberg May 31, 2016)。
ここで少しまとめ。
Virgin Australiaとは? (参照:Wikipedia)
- Virgin Blue Airlinesを前身としたオーストラリアで2番目に大きい航空会社(カンタス航空が最大)
- ブリスベンのBowen Hillsに本社
- Virgin Groupのイギリス人創始者Richard Bransonと共同で設立
Virgin Groupとは? (参照:Wikipedia)
- イギリスのグローバルベンチャーキャピタルコングロマリット(日本の総合商社に近いが、事業へのコミットの具合は総合商社以上)
- Virginブランドを冠して事業を展開
- 参入業種は、航空(AirAsia Xにも16%出資)、携帯(Virginモバイルはオーストラリアでもよく見かけますね)、銀行、本屋、電機、映画、インターネット、宝石、音楽、ラジオ、小売、旅行、ヘルスケア、クルーズ、ホテル、F1レース、鉄道、飲料、電力、ゲーム、メディア、衣料、ワインなど(売却したビジネスも含む)
HNA Groupとは? (参照:Wikipedia)
- 2000年に設立された中国の海南に本社を構えるコングロマリット
- 傘下の海南エアラインは中国に4番目に大きい航空会社
- 参入業種は、航空、旅行、金融サービス、不動産、物流など
ということで、今回のディールは、業績低迷に喘ぐVirgin Australiaを、同業の航空会社を母体としたコングロマリットであるHNA Groupが出資して助けるという構図のようです。
今後、目に見える動きとしては、ブリスベンー海南間の就航が増えそうです。海南島といえば、中国の沖縄と呼ばれるほどのリゾート地。沖縄と似ているのは、東南アジアに近く海に面しているので軍事施設も多いところ。
南沙諸島の中国の支配の拠点にもなっているはず。ブリスベンはオーストラリアで北寄りで、海南島は中国の南寄りに立地しているので、距離的には比較的近い。「Virginエアーで行く、海南島の旅」なんていうツアー広告が、もうすぐブリスベンの街に溢れることは明らかです。
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