副業って最近日本でハヤってますよね。インターネットのおかげで、在宅ワークも可能になり、ブログやアフェリエイトなどで生計を立てる人もチラホラ。
Crowd WorksやLancersなどが有名で、もっとカジュアルな依頼だと、coconalaというサイトも人気が出てきています。海外ではこの波はとっくの前に起きてましたが、日本でも仕事のアウトソースが一般的になりつつありますね。
もう多くの人が会社に行かなくても飯食ってくことできる時代が訪れてきています。なんだか、イケハヤさんみたいな論調になってきました。
そして、最近ブログで英語関係の記事を投稿をしまくっていたところ、
【かっこいい英語表現】What are you after?の英語の意味。レストランや駅でよく聞くこのフレーズ。
なんと、
ついに、
僕(@famzau)にも翻訳の仕事のオファーがやってきました!!!!!
収入なども可能な範囲で公開します。
翻訳の仕事の流れ
まず、翻訳の仕事をするにあたって、契約を結ばなければなりません。守秘義務契約、英語だとConfidential Agreement。いわゆるCAと呼ばれるやつです。
簡単に言うと、翻訳する内容については、他人に漏らしてはいけませんよという契約です。情報関連の記事なら、リリース前に漏れてはいけないし。商品情報の含まれる内容もリリース前に公開されてしまっては、企業は大きな損害を被りますからね。
ということで、このブログでは翻訳した内容については、契約通り伝えることができないので、ご了承ください。
次に業務報酬の決定です。
翻訳の報酬額の交渉
作業前に報酬額の交渉をします。仕事を始めてからでは遅いので。一般的に翻訳の仕事は、時給ではなく、文字数で決まります。日本語から英語か、英語から日本語かでレートが異なります。
プロフェッショナルの世界では、その原文の専門によって金額が違うようです。また、アラビア語やフランス語など特殊言語になるほど、レートは上がっていきます。
僕もこの仕事をやるまで知りませんでしたが、日本翻訳連盟という組織があって、そこのウェブサイトで翻訳の報酬額の相場が記載されています。
文書の種類/分野 | 英日翻訳:英文→和訳 | 日英翻訳:和文→英訳 |
一般科学・工業技術 | 28円(税別) | 21円(税別) |
医学・医療・薬学 | 35円(税別) | 30円(税別) |
(単位:英日の場合は原文の英語 1 ワードあたり、日英は和文原稿の1文字あたりの価格)
(参考:日本翻訳連盟 翻訳料金の目安)
ただ、この表を見ても翻訳をやったことない人は、高いのか安いのか全くピンとこないと思います。僕もピンときませんでした。
今回の翻訳で、相手が最初に提案してきた金額が、1,000文字$5です。オーストラリアドルの$5を40円と計算しましょう。
なんと、1文字0.04円。1文字って最初のとき、日本語1文字なのか英語1文字なのか分かりませんでしたが、日本翻訳連盟のウェブサイトにも記載通り、翻訳をするときの単位は基本原文の文字数になります。
よく考えると当たり前です。なぜなら、翻訳された言語の文字数にすると、翻訳者が意図的に翻訳を長くするインセンティブを与えてしまうからです。時給にしないのも、ゆっくり仕事をするインセンティブを翻訳者に与えてしまうからですね。
それはさておき、今回のオファーの1文字0.04円って相場の1文字28円から圧倒的にかけ離れています。ということで、今回の仕事を断らせて頂きました。
すると、1日あけて、相場に近い金額がオファーされてきました!
交渉事で最初に高い球投げるのは碇石だとしても、0.04円はセンスがなさすぎる。僕も初めての会社からの翻訳の依頼だったので、1文字20円とか言われれば、こちらもプロではないので飲んでいた可能性があったのに。
翻訳作業に専門知識はいる?
守秘義務契約を結んでいるので、細かい内容は伝えられませんが、翻訳作業がどんなものだったのかについての感想を伝えます。
まず、使われる単語が難しい。これは、依頼されるオファーによりますが、相手は会社なので、何かその企業の強みや商品となっている専門分野である可能性が高いです。つまり、普段の日常会話で絶対に使うことのない英単語です。
全然違う分野から例をとると、例えば、depreciationって意味分かりますか?英語で会計を勉強したことがある人なら分かると思いますが、有形固定資産の減価償却という意味です。無形固定資産の場合、amortizationになります。
日常会話ができる人でも、こういった減価償却の仕組みを分からない人が、翻訳すると訳された文がとても不自然になります。なので、翻訳は、英語ができても、その分野の知識がないとできないのです。
今回は、たまたま僕の趣味の分野の内容だったので、なんとかなりましたが、畑違いの文章など依頼されたら、能力的に仕事を断りますね。余計に時間もかかると思うので。
また、契約書だとwherebyやrecitalsなど、契約書独特の単語がでてきます。意味が分かっていても、日本の契約書で、一般的にどういう単語が使われるか分からない人も翻訳の仕事は難しい、というか不可能です。
英語しゃべれるだけじゃビジネスでは使い物にならない、「英語×専門分野」が大事なんだという耳にタコができるほど言いまわされている言葉を身に染みて感じました。
翻訳にはセンスが問われる?意外にクリエイティブな仕事!
翻訳は単純作業だと僕も思っていたし、そう思っている人が多いと思いますが。かなりクリエイティブな要素を感じました。これは、正直自分でも新発見でした。
例えば、分かりやすい例を挙げると、よくウェブサイトやカタログにある「About us」という単語があるとします。
あなたならこれをどう訳しますか?
「私たちについて」とか訳したら、明らかに不自然ですよね。いわゆる直訳と意訳の違いってやつです。さぁ、どう訳します?
実際、「About us」の訳は、実際にそのページを読んでみて、内容を確認してからでないと決めることができません。
「About us」の先に、会社についての説明があれば、「会社概要」がいいでしょう。このように、翻訳は意訳のセンスがかなり問われる仕事だと感じました。
恐らく、翻訳業界の人たちでは、あの翻訳者は、「I love you.」を「好きだよ。」ではなく、「お前にゾッコンだぜ。」に訳した!うまい!美しい翻訳!とか言って翻訳家たちでキャッキャしているのでしょう。
では、次にみなさんが気になる報酬の話です。
気になる収入は?かかった時間は?
さぁ、さぁ、皆さんが気になる報酬ですが、単価などの細かい数字は、残念ながら守秘義務契約を結んでいて言えないので、今回は僕がこれにかかる時間を自分で測り、それを報酬額で割り時給を計算したので、それを発表したいと思います!時給、大公開!
まず、かかると思った時間。
下準備(その分野でよく使われる関連用語のチェック):10分
翻訳作業(英語から日本語へ翻訳):80分
仕上げ(全体的な流れで不自然なとこがないか、誤字脱字チェック):30分
つまり、2時間で翻訳を完成させてやろうとたくらんだわけです。グヘヘ
そして、実際にかかった時間。
下準備:3分
翻訳作業:304分
仕上げ:13分
ヲヲヲッ!!!むっちゃ時間かかったやないかい!休んだ時間ちゃんと抜いてコレですよ!
合計5時間4分かかりました!
正直、お金もらっている以上、言い回しとかにももちろんこだわりました。
これ、プロだったら、慣れで早いとも考えられるけど、その分、所属している会社やプロフェッショナルとしての個人のブランドもあるので、もっとこだわりが強くなり、結局これ以上のかかるんだろうな。
そして、時給にすると、約$11でした!日本円で835円くらい!
オーストラリアの最低賃金以下です!涙
【ワーホリ必見】オーストラリアの最低賃金 レストランの時給やファームの歩合給の例
ちなみに、単価は言えませんが、日本翻訳連盟の相場くらいの値段でした。そして、この仕事の何が恐ろしいかと言うと、冒頭で申し上げた副業サイトを通すと、こっから30%くらいそのサイトにもっていかれるということです。
日豪プレスにもたまに求人を見ますが、会社の下請けとなるといくらかは差し引かれるでしょう。今回直接雇用でこのありさまなので、副業サイトとか通すとどうなることやら。。。
ただ、メリットも上げておくと、①オフィスに行かなくていい、②ボスがいない(依頼主はいますが)、③肉体労働じゃない、④自分の英語の勉強になる、⑤その分野の新しい知識が身につく、⑥意外にクリエイティブな活動、⑦いい経験(初めての人は)、⑧休みたいときに休める、⑨ブログのネタになる(ブロガーのみ)、⑩自分の翻訳が世の中に出回る(本や商品説明の場合)などなどがあります。
にしても、貧しいっすよ、パイセン(先輩)。。。
ということで、翻訳の仕事なんてそこらへんに転がっていると思いますので、興味がある人は挑戦してみては?ただし、ブログの収入もそうですが、オーストラリアで副業した場合、日本のサービスで日本円で得た収入だとしても、タックスリターンの申請をしないと、オーストラリアの税法にひかかるので注意して下さい。細かい話は以下の記事をお読みください。
ワーホリの人がタックスリターン申請する前に絶対知るべき基本事項3つ
ということで、海外で副業としてのオーストラリアで翻訳の仕事についてでした!
そして、この記事書いたあと、翻訳のクオリティが評価されて追加発注がきましたw