RECRUITの2016年アニュアルレポートが青臭くてカッコいい!リクルートの業種ってなんだと思います?

「何を信じて進むのか。」

そんな言葉から始まるリクルートの2016年アニュアルレポートがかっこいい。「新卒採用」「ガテン系」「フリーター」など数々の言葉を産み出し、世の中の流れを作り出してきたこの会社。

最近では、2014年に東証一部に上場し、本社もグラントウキョウサウスタワーに移り、ロゴも変わりましたね。

人によっては、「人材総合サービス会社」「広告会社」「不動産会社」「起業家育成会社」など様々な見方がされるほど、色々な事業領域を持っている。

僕は、リクルートはB to Cの総合商社だと思う。日本の総合商社は、資源開発や企業投資などB to Bが主であるが、リクルートは「ゼクシィ」「リクナビ」「カーセンサー」「ホットペッパー」「じゃらん」「ケイコとマナブ」など、消費者の前面に立ってビジネスをなんでも手掛けている。

今日はそんな時代に合わせて進化を遂げるリクルートの謎に、2016年のアニュアルレポートを読み解くことで紐といていきたいと思う。

冒頭3つのメッセージ!Opportunity for lifeって「まだ、ここにない、出会い。」?

「就労機会を平等に。」

「スモールビジネスにもっと自由を。」

「成長の参入障壁を無くす。」

Opportunity for life の言葉と共にこれらの言葉が飾られている。

「就労機会を平等に。」は、リクナビなどの人材総合サービス、

「スモールビジネスにもっと自由を。」は、ホットペッパー、じゃらん、Airペイなどの中小企業支援サービス、

「成長の参入障壁を無くす。」は、スタディサプリなどの教育サービス。

これらを意識したメッセージであろう。

目次の前にそんな3つのポエムが添えられている。

リクルートのプロフィール!超絶分かりやすい、ビジネスモデルの説明!

私たちは、新しい価値の創造を通じ、
社会からの期待に応え、
一人ひとりが輝く豊かな世界の実現を目指す。

リクルートグループの経営理念はこうだ。

リクルート事件後の1989年に改訂されたこの経営理念は20年以上の時を超えて受け継がれている。

この経営理念を実現するために2020年と2030年までの長期目標が定められている。

  • 2020年:人材領域 グローバルNo.1 雇用者決定者数No.1
  • 2030年:人材・販促領域 グローバルNo.1 サービス利用者数No.1

やはり人材ビジネスはリクルートの根幹なのであろう。

長期目標にはウェディングや不動産などの文言はない。2020年の長期目標にも2030年の目標にも入っているのが、「人材」だ。

人材紹介や人材派遣については、転職の一般化や、日本の人材不足から、マーケットは右肩あがりだ。人材サービスは、インテリジェンスやパソナなど有象無象の世界ではあるが、負けじと存在感を示し続けている。

ビジネスモデルについても分かりやすく明示しているのがおもしろい。世の中には、色々なビジネスモデルが存在するが、リクルートが示すのがたった1つのビジネスモデル。

「リボンモデル」だ。

別の言葉を当てはめるとすると、「マッチングモデル」だろう。

「美容室や飲食店」「不動産物件」「結婚式場」「求人」などとユーザーを結び付け広告か手数料でお金を産み出していく。

記述の通り、このビジネスを成功させるのにITなんかは欠かせない要素の1つだ。

そして、面白いのがそのビジネスモデルを支える企業文化。

リクルートの企業文化!圧倒的当事者意識ってのがクール!

「起業家精神」「圧倒的な当事者意識」「個の可能性に期待しあう場」。

普通の企業なら掲げないオリジナルな企業文化だ。

日本の一般的な企業なら、「風通しの良い会社」「フラットな組織」「多様性」なんて掲げるのではないのだろうか。

特に僕が独特に思えるのが、「圧倒的な当事者意識」

もう既に人口に膾炙した言葉となりつつあるが、リクルートが作り出した素晴らしい言葉だ。

大きな組織にいると、自分の役割が見えずくなる。大きな組織にいると、自分がやらなくても誰かがやってくれる。そんな風になってしまうのも人間無理はない。それを一蹴してくれるようなフレーズ。「圧倒的な当事者意識」。

「言い出した者が最後までやり遂げる」「世の中が流れにあわせるんじゃない、流れを作るんだ!」「全部自分事」そんな重要なコトにハッと気づかせてくれる。

リクルートの収益の源泉!リクルートの業種はなに?

事業ポートフォリオは、リクルートホールディングスの売上を大きく3分野に分ける。

① 販促メディア

② 人材メディア

③ 人材派遣

この3つだ。

さらにその中から3つの事業領域に分けているのだが、まずここでは3つの分野の売上比率を見ていきたい。

売上高ベースでこのような割合になる。

① 販促メディア 22.0% 3,493億円

② 人材メディア 22.6% 3,592億円

③ 人材派遣 56.0% 8,900億円

人材関連ビジネスで78.6%の収益を上げている。

売上だけ見るとリクルートとは、「人材総合サービス会社」と「広告・メディア会社」のハイブリッドなのだろう。

8つの事業領域も書かれていて、国内のライバルのみならず、海外の競合他社もアニュアルレポートに明記しているのが印象的だった。各領域で明白なライバルは存在するが、色々なサービスをITを持って打ち出すという意味では、将来的にはDNAや楽天なんかがライバルになりそうだ。

そして、後に出てくるパフォーマンス・ハイライトでは、売上高とEBITDA (Earnings before interest, taxes, depreciation and amortization)共に右肩上がりだ。

やっぱ青臭くていい、CEOメッセージ

販促領域であるゼクシィ事業部出身の代表取締役社長の峰岸真澄のメッセージはなかなか興味深かった。

学生起業家により「大学生向け求人広告事業」を手掛けるベンチャー企業として創業したリクルート

からリクルートの歴史を振り返り、Indeedの買収など昨今の動きをCEOメッセージの冒頭で述べた。

CEOメッセージの中で心を打たれたのが以下3つ。

  • 経営⽬標の時間軸を「毎期の安定的な成⻑」から「3年間の年平均成⻑率」へ変更
  • 日本においては、少子高齢化による労働人口の減少や、地域の過疎化など、さまざまな格差の課題に真正面から取り組みます。
  • いまは潜在化している「不」をいちはやく見つけ、高い理想を掲げ、あるいは社会の「不」を見て見ぬふりをせず、今の社会やマーケットを変えていこうと従業員一人ひとりが意思を持ち、最善を尽くすことこそがリクルートの強さの源泉だと思っています。

ベンチャー企業であり続けるために時間軸を「3年間の年平均成長率」へ変えたのは、英断だと思う。ベンチャー(新規事業)なんて1年で成長するものではないのだから。

また、日本の課題に「真正面」から取り組むっていうのが、素晴らしい。不満、不快、不便などの世の中の「不」を無くしていく、社会問題解決企業みたいなところは大好きだ。

それは、まだ顕在化していない「不」もあるだろう。それをいち早く見つけ、ビジネスで解決するところが最高にカッコいい

RECRUITの2016年アニュアルレポートの総括

ということで、べた褒めの評価でした。

思ったのが、こういった「社会の課題解決企業」みたいのは、これからの若者に人気が出てくるかもしれない。

「やりたいこと」が見つからない若者が社会貢献に目を向けているように、こういったソーシャルアントレプレナーという言葉を形にしたような企業の今後に注目していきたい。

もっと体系だってリクルートについて書かれている本もあります。

[関連本]
リクルートのDNA―起業家精神とは何か (角川oneテーマ21)
リクルート 挑戦する遺伝子
「どこでも通用する人」に変わるリクルートの口ぐせ

他にもこんな企業分析やってます。

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