人生の意味はない。「嫌われる勇気」の感想・評判。

kirawareruyuki

旅行中に日本で大ヒットした本を読んだので、キャリアや人生に絡めて「嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え」を読み解きたい。

この本もう130万部も売れたんですねー。日本では、10万部売れればヒット作と言われる中で、この売れ行きは凄まじい。

副題にもある通り、この本はアドラー心理学を対話形式で簡単に読み解いた本である。

では、なぜこんなにこの本が売れたか見て行こう。

人間が行動を起こさないのはそれがその人にとって合理的であるからであるから

小説家になることを夢見ながら、なかなか作品を書き上げられない人がいます。彼によると、仕事が忙しくて小説を書く時間もままならない、だから書き上げられないし、小説の応募に至らないのだそうです。
実際のところは、応募しないことによって「やればできる」という可能性を残しておきたいのです。人の評価にさらされたくないし、ましてや駄作を書き上げて落選する、という現実に直面したくな

嫌われる勇気にはこういった一節があります。

この考えを他のシチュエーションに応用してみます。
就職活動をしない学生がいる。これは、その学生が就活と言う労働マーケットに自分が晒されて、会社から落とされることが怖い。自分が世の中から必要とされていないことが証明されるのが怖い。自分がなんのスキルもないことが明らかになるのが怖い。
そういった怖さから、「サラリーマンにはなりたくない」だとか、「海外の大学院に行く」とかいう就活をしない理由や状況を産み出すということです。
自分は、キチンと就活すれば、もしくは就活していたら、多くの企業からオファーをもらえたという可能性を残しておきたいのです。

他にもこんなシチュエーションがあります。
恋愛に踏み出せない青年がいる。これは、フラれるのが怖い。自分が評価(否定)されるのが怖い。
そういった怖さから、「あの娘のことは、好きではない」だとか、「あの娘は、勉強や仕事で忙しい」だとか、自己否定されない言い訳を探し出す。
もし、あの娘が忙しくなかったら付き合えたという可能性を残しておきたいのです。

すっぱいブドウの物語と似ているロジックですね。

他者貢献は自己犠牲ではない

われわれは、自分の存在や行動が共同体にとって有益だと思えたときだけ、つまりは「わたしは誰かの役に立っている」と思えたときにだけ、自らの価値を実感することができる。
つまり他者貢献とは、「わたし」を捨てて誰かに尽くすことではなく、むしろ「わたし」の価値を実感するためにこそ、なされるものなのです。

この考えを元に新興国にボランティアへ行く日本人を考えたい。
この本では、「他者から凄いことをしている」と思われる欲求を満たすためにボランティアをしている人は、幸せにはなれないと述べる。
ボランティアを通して、「自分の価値が実感」できる人が、貢献感というのを得られて幸せに生きれると述べている。
つまりは、日本人がただ単に新興国のスラムやストリートチルドレンに会っても、何も起きないのである。

僕もフィリピンのストリートチルドレンに食べ物を配給するというボランティアをしたことがあるが、そのイベントによってボランティア活動にはのめりこんでいない。
嫌われる勇気」の本の視点からいうと、僕はただストリートチルドレンにキリスト教の団体が用意した食べ物を配って少し会話しただけで、自分の能力を発揮していないのである。なので、貢献感を得られておらず、幸せを感じれなかったのである。

幸福とは、貢献感である。

幸福=貢献感であるとすれば、幸福=貢献感=自分の価値が実感=わたしは誰かの役に立っていると思えることをするとなります。
誰かの役に立つということは能力がないとできないことですから、能力を身に付けるというのは、貢献への第一歩となるのです。

人生の意味はない

行為のレベルであれ、あるいは存在のレベルであれ、自分は誰かの役に立っていると「感じる」こと、つまり貢献感が必要なのです。
「一般的な人生の意味はない」と語ったあと、こう続けています。「人生の意味は、あなたが自分自身に与えられるものだ」と。

人生の意味はないというのは、いい意味で斬新な考えでした。意味なんて求める人がいるけど、意味なんてないですよね。
コップ半分に入った水を多いとみるか少ないとみるかのロジックと一緒で。人生というものがあって、それを自分でどう見るか、どう意味づけるかがあるだけなんですね。

まとめ

この本で繰り返し強調されるのは、コップに入った水の話である。要は、全ては自分が物事をどう見るかということ。

人生の意味すら自分がどう意味づけをするかしかないのである。

そして同様に「変えられるもの」と「変えられないもの」の理解を求められる。例えば、他者の感情や考えは、「変えられないもの」であるので、そこについて悩むことは辞めなければいけない。

しかし、あなたが今この瞬間から「変えられるもの」は、自分が世の中や人生や過去をどう捉えるかである。

自分の頭の凝り固まった考えをグニャグニャにして、もう一度自分の考えを再構築させてくれる良書でした。

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