「10年後の仕事図鑑」というタイトルを見て、自分の将来の仕事は10年後も稼げる、究極残っているのだろうか?と思った人が本書を手に取ったはず。
ぼくもそんな風に感じて本書を買った一人なので、一緒に来る未来に備えて、堀江さんと落合さんが考える「10年後になくなる仕事・減る仕事」と「10年後に生まれる仕事・伸びる仕事」をチェックしよう。
そして、「人生100年時代」の生き方も彼らのような未来の先を行くような人たちの考えを紐解いていこう。僕みたいな一般市民の意見も添えて。
Contents
そもそも仕事はどう生まれているか?
こんなことパンピー(一般ピーポー)の僕は考えたことはないんだが、なぜ仕事という業務が生まれるか考えたことがあるだろうか?
仕事とは、社会システムの要請によって生まれるものだ。つまり、現在の多くの人は、高度経済成長以後過去40年間の古い社会システムの要請によって生まれた仕事に就いているというわけだ。
そうそう。戦後の高度経済成長期に重厚長大の大量生産で経済成長していた社会システムの上では、特に個性もなく黙々と同じ作業をしてくれる人を社会は要請していたのだ。
会社は、会社員の一生を保証してあげる代わりに、でかい会社で巨大システムを滞りなくメンテナンスまたは少しの改善をし続けられるニーズがあったのだ。
終身雇用や夢の35年ローンマイホームが生まれたのもこのためだ。日本社会にとって35年ローン組んでその支払いのため転職せず、ずっとその会社に留まってくれた方が都合が良かったのだ。家を建てれば、ゼネコン、サブコン、職人、材料メーカー、不動産屋など皆が儲かるのだ。
ただし、現在では昭和の日本のような同質の製品を大量生産・大量消費する時代は終わり、シェアリングエコノミーや、コト消費、ニーズの細分化などが起きて、同質のモノを大量生産する時代は終わりを迎えつつある。
では、次の10年後の社会はどんな仕事の要請をするのだろうか?
堀江、落合さんが考える10年後になくなる仕事・減る仕事
- 管理職
- 秘書
- 営業職
- 現場監督
- エンジニア
- 弁護士
- 会計士・税理士・社労士
- スポーツの監督
- 介護職
- 警備員
- 教員
- 研究者
- テレビ
- 事務職
- 倉庫業務
- 公務員
- 窓口業務
- 医師
- クリエイター
- アート
- 銀行員
- 運送業
- 翻訳
- ドライバー
- 農業
- 顧客対応
- コンビニのレジ打ち
- 書店
- 飲食店
- 物流
- 編集・校正
それぞれについては、本書を買って見てほしいが、ポイントをまとめると、
- 管理するだけの仕事はAIに取って代わられるということ。管理するだけの管理職はAIの方が優れているということだ。要は「モニタリング」というファンクションであれば、管理者というのはAIの方がその異常値に気づけたり、遅れが生じていたのを発見するのが得意なのだ。同じ理由で現場監督やスポーツ監督というのも不要になる。データをもとに人員構成や順序を考えるのはAIの得意分野だ。医師も「診断する」という機能においては不要となる。治療や手術はまだまだ人間の介在する余地はありそうだが。
- エンジニアやプログラマーも現代っぽい響きの仕事であるが、現在でも安価で技術を学べる学習サービスが次々に誕生しているし、将来はエクセル程度に誰もがプログラミングできるようになるようだ。まぁ、エクセルも計算式入れてマクロ組んだりする点では、プログラミングの一種といえよう。
- 弁護士は過去のデータに基づいて判断するという点においては、AIやコンピュータの超得意分野であろう。その判例から裁判の判決がされるようであれば、全部の判例を頭の中に入れて判断していたような弁護士や裁判官も真っ先に不要となる。すでに1時間程度で作られたプログラムでも判例に対する正答率が8割はあるそうだ。
このように、「モニタリング」「一定の単純作業」「過去の大量のデータから判断」という要素は、AIの得意とする分野なので、この分野の価値はどんどん落ちていく。
すでに起きている事例としては、自動運転によるドライバーという職業の消失、Amazon Goによるレジ打ちという職業の消失、Pepparによる窓口業務の消失だろう。
クリエイターも消えるということに驚いた人もいるかもしれない。なぜなら、ちょっと前まではロボットは何かを生み出すことはできないのでクリエイターは生き残ると言われていたからだ。
しかし、人が感動する物語のパターンなどは決まっていて、そのデータを元にNetflixなどは映画などの作品を作っている。
上記に挙げた職業でも生き残るものもある。
- ビジョンを持っている管理職
- 会いに行きたいママがいる飲食店
- インフルエンサーとしての信用力がある営業
こういったところだ。ロボットはモニタリングはできるが、こういった社会を作りたいだとかいうビジョンを持つことはできない。ビジョンを持つ管理職というのはこれからも人間が必要とされる。
また、飲食店でも自動で調理や注文はできるようになるかもしれないが、このママや店員と話したいというニーズはロボットに置き換えられないだろう。
営業でも同じで、この人だから買うという自分のマーケットや経済圏を持っている人はこれからも生き残り続けるだろう。要は、ブロガー、インスタグラマーなどだ。
そしてAIやロボットが本格的に普及し始めて、真っ先に消えていく仕事というのは、給与が高い仕事だ。なぜなら、人間とロボットのコストを考えたときに、人間のコストが高い仕事から消えていくからだ。人間というコストの方が安い場合は、ある意味ずっとロボットには置き換えられない。なんて皮肉だ。
堀江、落合さんが考える10年後に生まれる仕事・伸びる仕事
- 個人経営のお店
- 職人
- ドローン
- ショービジネス
- テレプレゼンスロボット
- 一億総クリエイター時代
- 予防医療
- 宇宙開発
- 感情のシェア
- 観光業
- AIを操る
- 音声認識技術
先ほどの消える仕事にも繋がるが、会いに行きたくなる居酒屋の店長や、志とこだわりを持っている個人経営の飲食店、好きでやっているファンのいる飲食店などは、ロボットに置き換えられないので生き残るだろう。
また、ドローンは空撮、測量、点検、農業分野、流通分野などの幅広い分野でこれから活躍する。昔からラジコンというおもちゃはあったが、いよいよ産業用にドローンが使われようとしている。もちろん一部は自動運転となるだろう。
なので、ブロガーなどがこぞってドローンで遊び始めているのである。
ショービジネスもそうだ。ロボットがダンスしていても最初だけは真新しいが、それが当たり前の時代になったときにはなんも面白くない。確か渋谷か新宿にロボットがダンスする飲み屋があったな。ただ、人間という動きに限界があり、努力することで達成するという事実に人は感動するようになるだろう。
アスリートやYoutuberもショービジネスに近い分類となる。50mを全力で走る人と、バイクでもっと早く追い抜く人を競争させても感動しないでしょ。
これ仕事?みたいなタイトルのものも含まれているが、要は「志(ビジョン)」「超精緻な作業」「ドローン、宇宙、AI、音声認識などのこれからの技術」「人間という限界のあるものだけが行うパフォーマンス」に価値が生まれるのだろう。
結論、どうずればいいか?
で、色々と消える仕事と生まれる仕事について書きましたが、結論どうすれば良いかと言うと、いつものホリエモンの結論と同じで「好きなことをすれば良い」。
本書でも言っているが、10年後の未来なんてどうなるか誰もわからない。さっき述べた消える仕事と生まれる仕事も予測でしかない。
なので、好きなこと、今楽しいと思えることをすれば良いのである。
ただ個人的に少し補足しておくと、
- 好きなこと(趣味)を3つ持つ
- 好きなことを発信する
- 好きなことを少しマネタイズしてみる
これが重要だと思う。
まず、趣味を複数持つということは、有名な藤原さんの100万分の1の法則であるようにレアカードとなるという意味でもそうであるし、リスクヘッジにもなる。はやりの収入源の多様化のように趣味の多様化である。
個人的には、「アート(クリエイティブ)+健康+社会的に影響のあること」なんかがバランス的に良いのではないかと思う。
また、それを発信することも大事だ。それは上記に出たフォロワーを増やすためだ。発信することで拡散、出会える人、影響力にレバレッジをかけられる。
そして、個人的には小遣い程度でもマネタイズも少し意識できたら良いと思う。ホリエモンはマネタイズや収入源の多様化やペイできるかなどの打算には反対で、純粋に好きなことを追い求めるように言うが、継続性の観点からは小遣い程度でもあると、将来の収益化のコツに敏感になれるはずだ。
好きなことの探し方
多くの人は、好きになってから没頭するものだと思いがちだが、現実は違う。他のことを何もかも忘れて、「没頭する」。この境地を経てはじめて、「好き」の感情が芽生えてくるのだ。たとえば、「最初から好きだから、会計の仕事に没頭する」のではない。「会計の仕事に没頭したから、その仕事が好きになる」のだ。「没頭」さえしてしまえば、あとは知らぬ間に好きになっていく。
(引用:10年後の仕事図鑑)
好きでないことを歯を食いしばって頑張ることは没頭ではない。時間を忘れていたときこそ没頭だ。
本書の締めくくりは、「未来を恐れず、過去に執着せず、今を生きろ」というシンプルなメッセージだ。
あなたが、将来消える仕事を調べたように何が起きるか分からない未来は不安かもしれない。でも、ホリエモンも言っているが、
1度きりの人生に、不安を持ち込むことに何の意味があるのか。今この一瞬に全力で向き合い、心の底から楽しむことが、命を与えられた私たちの使命ではないだろうか。
(引用:10年後の仕事図鑑)