本日、5月5日のJAMS TVの報道によると、「バックパッカー税 予定通り導入へ」との記事がありました。8:30pmにウェブで確認しました。
記事の冒頭では、
3日夜に発表された新年度予算案で、予定通り「バックパッカー税」が導入されることが明らかになった。
(JAMS TV 5月5日の記事より)
末尾には、
7月1日に導入される同税では、1ドルの収入につき32.5%が課税される。一方、両カウンシルは財源を増やす政策として導入される、空港利用者によるサービス料の負担やビザ申請料金の凍結などは歓迎した。
(JAMS TV 5月5日の記事より)
日豪プレスのようなクラシファイドのサイトって、記事の最後に情報のソース(URL)を載せているんですが、JAMS TVは載せないことが多いです。
URLリソースないし、僕も3日夜の予算案の発表見てたのに、なぜ自分がバックパッカー税導入決定に関する情報を拾えなかったんだろうと思い、英語でリソースを自分で探して凄いことに気づきました。
あのオーストラリアの大手報道機関ABCは、5月4日にこういうタイトルで伝えています。
Budget 2016: Treasurer Scott Morrison may delay backpacker tax.
(2016年度予算案について、モリソン財相はバックパッカー税を延期するかも知れない)
と報道しているのです。5月4日(水)3:24pmの記事です。
僕が確認する限り、どこのワーホリに関する英語のメディアも現時点でバックパッカー税導入とは報道していない中、JAMS TVだけバックパッカー税導入と報道しているのです。もちろん日豪プレスも伝えてません。
ABCはこうも伝えています。
Treasurer Scott Morrison told the National Press Club today, it was a complicated issue that was still under consideration.
(モリソン財相は記者クラブに、バックパッカー税については問題が複雑で、まだ考え中だと今日伝えた。)
さらには、
Another National Party member said they expected the Government to delay the start date of the so-called backpacker tax to give it time to consult the industry.
(業界との調整のために、政府がバックパッカー税の導入時期を遅らせると思う)
との見方も示しています。
唯一、JAMS TVが書いていたリソースのような要素のある、AAP(Australian Associated Press)についても、ABCのAAPミックさんは、「バックパッカー税の問題はまだ残っている」と伝えています。
最終的に、7月1日からバックパッカー税が導入される可能性は大いにありますが、このオーストラリアのメディアの報道の状況下、何をリソースにしたのか分かりませんが、「バックパッカー税 予定通り導入へ」という記事をのせたJAMS TVって早計だなと思ったしだいです。少なくとも5月4日のABCの報道のあとに、5月5日にこの発表をするのは凄い。
ちなみに、本日5月5日のThe West Australianにもバックパッカー税は遅れると書いてます。
以前、JAMS TVのハッキングも、どこのメディアも取り上げない中、いち早くお伝えしましたが、たまたま同じ会社が重なっただけで、恨みがあるわけではないので、ご了承下さい。どちらかというと毎日チェックしているファンです。
【注意喚起】オーストラリアの日本人向け生活情報サイトJAMS.TVが現在ハッキングにあってます!
本当に、7月1日にバックパッカー税実施された際は、「すみません!」。ただ、この時点での報道は早すぎると思っているだけです。以下コメントより、みなさんの大人の意見を聞かせて頂けたら嬉しいです。
引き続き、このバックパッカー税の件については、本ブログにて追っていきますので、定期的にご確認ください。毎日更新してます。ツイッター(@famzau)もあります。フェイスブックグループもあります。個人のブログならではの情報の機動性の高さや鋭さから、お気に入り登録している人もいるみたいでうれしい限りです。
【追記 2016年5月15日】
ここにきて、JAMS TVさんが方向転換してきたようです。
本日、「バックパッカー税 不透明な状況に?」というタイトルで新たな記事を発表しました。
物議を醸しているバックパッカー税が、廃止されるのではないかという憶測が飛び交う中でターンブル連邦首相は沈黙を守っている。
・・・
ターンブル首相は「同税導入によって地域社会が抱えている懸念に慎重に耳を傾けている。今後またこの件に関しては言及していく」と述べた。
(参照:「バックパッカー税 不透明な状況に?」)
どうやら、指摘していた「バックパッカー税 予定通り導入へ」から「バックパッカー税 不透明な状況に?」へ方向転換してくれたみたいです。
よかった、よかった。これで、「バックパッカー税 予定通り導入へ」という記事は早すぎたということが証明されました。
日豪プレスも
ABC放送(電子版)は、結局、観光部門、農業部門からの圧力が強く、2016年予算案ではバックパッカー税導入は見送られることになりそうだと伝えている。
(参照:日豪プレス5月6日の記事)
とサポートしてくれています。
ご存知の方も多いと思いますが、Yahoo News(というか元は時事通信)も、
オーストラリア政府は7月から、ワーキングホリデー(ワーホリ)査証で就労する外国人の若者に対する所得税率を、0%から一気に32.5%に引き上げる。
(参照:Yahoo News 5月10日の記事)
と冒頭で述べていました。
時事通信とかってオーストラリアのワーホリの税金なんてマイナーな記事細かく追っていないんでしょうが、「決定」と「可能性がある」では、大きな違いがあるので、誤報だと思いますね。
はっきり言って、JAMS TVも誤報ですね。
3日夜に発表された新年度予算案で、予定通り「バックパッカー税」が導入されることが明らかになった。
(JAMS TV 5月5日の記事より)
と言ってしまうと、あたかも新年度予算案で何かバックパッカー税(ワーホリ税)について、述べられて決まったかのように理解してしまいます。
でも、実際予算案ではバックパッカー税に関しては述べられませんでした。
なので、外国のコミュニティとかも僕はチェックしてますが、英語のサイトでは、どこも決定とは伝えてません。「まだ決まっていない」と伝えています。
つまり、例え最終的に7月1日からバックパッカー税が導入されたとしても、この時点で「決定」というのは誤報だと思います。
※この記事の続きは、バックパッカー税に関する3記事の2つ目です。続きは以下。
② 本記事
③ 【速報】オーストラリアのバックパッカー税が導入6ヵ月延期!ワーホリ必見です。日系メディアは誤報道!
④ 【2017年最新版】オーストラリアでワーホリする人の所得税率を超簡単解説!
コメント
これ発見したのは、正直すごいです。バックパッカー税、導入してほしくないなー。オーストラリアで日本人向けにビジネスしてる人にとっては大ニュースですね。
日本人相手にビジネスしている人にとっては、目が離せないですね。これがビジネスの政治リスクってやつですね。
エージェントの方からも「導入が決定」と伺いましたよ。バックパッカー税が実施されるのは間違いないけれど、いつ始まるかはまだ未定とのこと。もしかしたら7月までにガイドラインが出されてスタートするかもしれないし、もしかしたら半年ズレるかもしれない。半年ズレたら一体どうなるのかは検討もつかない。と言った感じですね。
貴重な情報ありがとうございます。そうですね。仰る通り、スタート時点が遅れる可能性はありますね、ABCも伝えている通り。導入される可能性も高いと思います。但し、5月5日の時点で、7月1日からバックパッカー税を導入と伝えるのは、少し早いのかなと思います。どの材料を持ってして記事にしたのかを明らかにして欲しいですね。
Facebook上では、以下の会話がありました。非常にタメになるのでご参考まで。
Aさん:現時点では、あくまでも予算案ですので、これが実際に法制化するかどうかは、今後の国会で決まります。そのため、すべて先日の予算案発表と折になる訳ではありません。しかし、所謂「バックパッカー税」に関しては、野党から具体的な反対の声はあまり伝わってこないというのが、今のところの感想です。
私:詳しいご説明ありがとうございます。勉強になります。つまり、「バックパッカー税導入へ」と伝えるのは、早いということであってますよね?
Aさん:はい、現時点ではその通りです。ただし、予算案の他の項目と違い、バックパッカー税に反対という声は聞こえてこないので、前述したようにそのまま法制化されてしまう可能性の方が高いです。
日本ではバックパッカー税がオーストラリアで導入されるとテレビで報道されたみたいで、友達から大変だねって連絡きました。どこの情報なのかと、改めてメディアの
ソースの確認の必要性を感じました
日本ではテレビでも報道されてたんですか!!
英語のリソースチェックは本当に大事ですよね。
たまたま僕が、世界で一番最初にこの誤報道見つけましたけど、
結構世の中にこういうことって起きているんでしょうね。
そして、この記事が徐々に他のメディアやブログに影響を与え始めていることを密かに誇りに思っているワタシw