久しぶりに本を読もうとして吟味した挙句、石川 善樹さんの『フルライフ 今日の仕事と10年先の目標と100年の人生をつなぐ時間戦略』を手に取りました。
単行本で1,980円もするので、学生とかにとっては大きい額だと思うので、こちらの書評を読んでから購入を考えるのもありかもしれません。
最近、本の選び方の購買行動も変わっていて、昔は紀伊国屋書店とかに足を運んで選んでました。本屋で本のジャケット見て、タイトル見て、チラッと冒頭を立ち読みして現金とポイントカードを渡して購入。
そのままカフェに行って、一杯のコーヒー飲みながら本の世界にのめり込んでいました。
一方、今は全然違います。むしろ本の情報収集における立ち位置すら違って、今は動画なのか、ネット記事なのか、ツイッターなのか、それとも本なのか。というようなあらゆる手段の一つに過ぎないです。
情報としてはツイッターとしてのスピード感はないし、動画ほどの分かりやすさもない。
本はある意味、じっくり考えたいトピックに対して読むことが多いです。
購買行動としても、昔と違って今はまず、僕はYoutubeで著者を検索します。
昔は名前だけ知っていてもどんな顔の人が書いているのか分からなくて、ただただ読んでいました。
でも今は違います。顔だけでなく、声から考え方すらYoutubeで先にチェックしてから、この人の本なら読みたいかどうか選びます。
更に言うと、今は出版社、今回で言うNews Picksパブリッシングが出版する本が好きで、それを軸に本を選びYoutubeで確認してから読むか、自分の2~3時間を捧げるかを選びます。
僕は海外に住んでいるので、Kindleで出版されているかも大事になります。
Contents
- 1 著者の石川 善樹(いしかわ よしき)さんについて
- 2 本を読んで感銘を受けたポイントを6つに要約
- 2.1 ①どんなテーマであれ、問いを立てたのに考えが進まないのであれば、それは思考力の問題ではなく、「問いが適切でない」ということにつきます。
- 2.2 ②人生にAとBという選択肢があるとして、「AorB」でも「AandB」でも公開が生まれるのだとすると、どうやら人生は「絶対に後悔が生まれる」構造になっている。だとするとせいぜい私たちにできることは、どちらの後悔を選ぶかだけです。
- 2.3 ③20世紀的な成功は、「社内の役職の階段を駆け上がること」だったが、現代の成功は「社会的なインパクトの大きさ」。
- 2.4 ④すごい人から信頼を得るために必要なのは、「可愛げ」と「大物感」。そして、「大物感」を醸し出すには、「時代」を語ることが大事。
- 2.5 ⑤もしも「うれしい」「楽しい」というポジティブな感情が月曜から金曜まで何もなかったら、それは何かを変えたほうがいいんだというシグナルです。逆に、ポジティブな感情ばかり続くときも注意が必要です。何か難しいことにチャレンジしていれば、必ず壁にぶつかります。そこで、「悔しい」とか「悲しい」といった感情が起こるはずですから。ゆえに怒らないといのは、大切にしているものを守るためにチャレンジしていないと言えます。
- 2.6 ⑥幸福とは、「ネガティブ体験の少なさ」と「ポジティブ体験の多さ」そして、「人生の評価」による
- 3 フルライフは買いか?
著者の石川 善樹(いしかわ よしき)さんについて
冒頭に述べたように、僕の購買行動はクリアです。
① Kindleで出版されているか
② 好きな出版社か、または著者を既に評価している
③ Youtubeで見て、本を読むに値する人物か
石川さんは、そういう意味において、上記3つをクリアしたのですぐにKindleで迷わず本を買いました。
もともと石川さんを知らなかったのですが、NewsPicksから出る著者なら大丈夫だろうという後押しもありました。
以下、動画を見て購買に対する考えは確信へと変わりました。
この3分程度の2つの動画を見て、この人の考えはおもしろそうだなと思いました。
本の内容も仕事であったり、人生100年時代という気になるトピックでした。
本を読んで感銘を受けたポイントを6つに要約
①どんなテーマであれ、問いを立てたのに考えが進まないのであれば、それは思考力の問題ではなく、「問いが適切でない」ということにつきます。
本の中で具体的には、充実した人生が分からないときは、空っぽな人生とは何か?を考えるといいとあります。
確かに、そのアプローチは物事を考える上でおもしろいなと思いましたね。著者は「空っぽな人生=何も誇ることがない、後悔だらけの人生」と置いています。
そして、後悔とは何かを因数分解して、解像度をあげます。そうすると、ぼやっとして人生の充実と言うテーマについての言語化が一気に進みますよね。
②人生にAとBという選択肢があるとして、「AorB」でも「AandB」でも公開が生まれるのだとすると、どうやら人生は「絶対に後悔が生まれる」構造になっている。だとするとせいぜい私たちにできることは、どちらの後悔を選ぶかだけです。
人生には時間と言う制約がある中で、どちらを選んでも後悔が生まれるのであれば、どちらの後悔を選ぶのかという話はおもしろかったです。
著者は「総取りのジレンマ」を抱えながら生きていくことを腹を決めたようです。
広くか深くかという生き方は、好奇心を満たすだけでなく、リスク分散の意味でも僕も広くを選ぶと思いますね。
ただ、何も専門性がないというのも不安なのでT字型の生き方が良いのかもしれません。
③20世紀的な成功は、「社内の役職の階段を駆け上がること」だったが、現代の成功は「社会的なインパクトの大きさ」。
昔の成功は、お金、地位、車、家、女、酒みたいなイメージですが、今の若者は社会的な意義やインパクトを大事にするといいますよね。
今も、日本の拝金主義的な思想は変わらないですが、よりインフルエンサー含め信用経済ということばもある通り社会的インパクトの大きさがより評価されるようになりましたよね。
④すごい人から信頼を得るために必要なのは、「可愛げ」と「大物感」。そして、「大物感」を醸し出すには、「時代」を語ることが大事。
これはノウハウ的な内容ですが、時代を語るというのは大物感を出す効果があるようです。
ちなみに可愛げを産み出す方法については本著では触れられていません。
個人的にはこちらの方が知りたかったのですが。笑
時代を語るのであれば、今で言うと「一生懸命営業する時代ではないじゃないですか」「安定を求める時代じゃないですか」「人生に物語を求める時代じゃないですか」とか、言えばいいのだと思います。
⑤もしも「うれしい」「楽しい」というポジティブな感情が月曜から金曜まで何もなかったら、それは何かを変えたほうがいいんだというシグナルです。逆に、ポジティブな感情ばかり続くときも注意が必要です。何か難しいことにチャレンジしていれば、必ず壁にぶつかります。そこで、「悔しい」とか「悲しい」といった感情が起こるはずですから。ゆえに怒らないといのは、大切にしているものを守るためにチャレンジしていないと言えます。
これは自分の仕事とか生活に当てはめてみると響く言葉だと思いますね。
⑥幸福とは、「ネガティブ体験の少なさ」と「ポジティブ体験の多さ」そして、「人生の評価」による
これも先ほど少し出た因数分解をして解像度を上げるという作業に似ていて、人間は幸せになるために生きているということを人生の定義だとすると、「幸せ」とは何かと考えたときに上の因数分解は非常に役に立ったなと思います。
「幸せ」って「ネガティブな感情が少ない」そして「ポジティブ感情の多い」状態ですよね。
では、ネガティブ体験は何かというと、体の痛み、心配、かなしい、ストレス、怒りがない状態。
ポジティブ体験は何かというと、よく眠れた、経緯をもって接された、笑った、学び/興味、歓びと書かれています。
また冒頭に紹介したYoutubeでは、「不幸」とは「理想」と「現実」のギャップとも言っています。
その解決方法も、理想を下げるか、現実を上げるか、そして理想を変えるかという発想もおもしろかったです。
フルライフは買いか?
結論、1,980円というのは高いですが、そこから得られるものは多いと思います。
上記の6つのポイントのどれかにピンときた人は是非読んで欲しいです。
上記はあくまで要約なので、どういった文脈の中で語られているのかを形式だった体系で読むことで血肉になると思われます。